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養生シートの種類や実際に使用される場面

養生シートは用途に合わせて選ぼう

養生シートは、破損や汚れから施設や建物を保護するためのシートです。建築現場や工事現場、また引っ越し作業の現場などでは欠かせないアイテムです。災害などで破損した家屋などの応急処置や現場に保管している材料の保護などにも活用されています。

こちらでは様々な現場において安全に作業するために欠かせない養生シートの基本的な知識から、素材や形状、用途別の使い方、使用する際の注意点などをご紹介いたします。

養生シートの基礎知識

養生シートとは、作業などの際に周囲に汚れや傷を残さないように保護するシートです。建設現場や工事現場、引っ越し作業といった物を動かす現場で床や壁などに傷がついたり、汚れを残したりしないように保護するために使用するシートで、工事などの現場作業では欠かせないものの一つです。他にも、防水や防音、防熱などの目的で養生シートが使用される場合もあります。

養生シートは1種類ではありません。現場や目的によって使い分ける必要があります。最適な養生シートを選ぶには、養生シートの形状や素材といった基礎知識をつけておくとよいでしょう。

こちらでは、養生シートの基本的な知識や具体的な使用方法、注意点などをご紹介いたします。

養生シートとは?

内装工事

養生シートとは、作業などの現場で何かを保護するシートの総称です。一般的には現場の養生にはビニールシートが多く用いられます。

養生とは?

養生という言葉は一般的には人が体をいたわったり、健康に気をつけたりするという意味で使われる言葉です。この言葉を建築現場や作業現場に当てはめると、運搬や作業などの際に周囲を傷つけたり汚したりしないように保護をするという意味となります。

建築現場においても引っ越しなどの作業においても、養生は施設や住宅などを守るためにとても重要な作業工程です。

ビニールの養生シートのメリット

ビニール製の養生シートが多い理由は、以下のメリットがあるためです。

  • 防水に優れている
  • 破れにくい
  • カッターなどで加工しやすい
  • 様々な厚みがある
  • 柔軟性があり、巻いたりくるんだりできる
  • 変質しにくい

養生に使用するために最適な素材と言えるでしょう。

養生シートを使わないとどうなる?

内装工事などの現場で養生を十分に行わなかったばかりに、「床に傷をつけてしまった」「塗装を飛び散らしてしまった」などのトラブルは実際に頻繁に発生しています。そういったトラブルの代償は時間的にも金額的も予想以上に大きな負担となり、養生を怠った個人の責任となってしまう場合も少なくはありません。養生を行う工程は、どんな現場においても安全確保の意味合いから決して手を抜いてはいけない作業なのです。

養生シートが向かない場所もある

養生シートは、すべての場所で問題なく使えるというわけではありません。ビニール素材が多いことから、熱への耐性が低い傾向にあるからです。特に高温を発するバーナーや溶接機を屋内で使う現場は室温が高く、養生シートの変形などが生じる可能性があります。

養生シートの種類

床養生シート

養生シートは、使用用途や使用場所によって種類は様々。形状や材質を考慮しながら最適な養生シートを選択する必要があります。主な養生シートの種類は、以下のとおりです。

床養生シート

引っ越しや機器の搬入・搬出の際に、床面の保護を目的として使用する養生シートです。長い距離を保護する場合が多いので、ロールタイプのシートが使用されています。また、ずれたりしないように同素材のロールタイプの養生テープで床面に固定して使用します。

床養生シートの素材は、ポリエチレンあるいは塩化ビニール(塩ビ)などが一般的です。ポリエチレンは厚さが0.01mmと薄手で強靭性があり、耐水性も高いので短期間の部分的な養生に最適です。塩ビ素材のシートはポリエチレン素材に比べて厚手ですが耐久性が高く、長期間の床養生に向いています。

壁面養生シート

壁面を保護するための養生シートです。例えば、引っ越しの際に家具をぶつけたりすると、壁面も家具も両方損傷する場合があります。壁面に対して使用する養生シートでは、ロールタイプの養生シートのほかに、クッション性のあるボードタイプのものが多く用いられます。素材に塩ビが使われることは少なく、ポリエステル製であることがほとんどです。

一方、ポリプロピレン(PP)を素材として段ボール上に成形された、いわゆるプラ段と呼ばれるシートが多く用いられています。紙段ボールと比べて耐久性が高く、繰り返し使用することも可能です。

野積養生シート

屋外に置かれた資材などの保護を目的に使用する養生シートです。風雨にも耐えられる厚手の素材でシート形状のものが多く用いられ、一般的にブルーシートなどと呼ばれる場合もあります。ブルーシートはロールタイプのものが多くみられます。野生養生シートはポリエチレンなどの合成素材で作られており、色が黒色の養生シートも存在します。黒の養生シートの中には紫外線安定剤が含まれているものなど耐久性の高い商品もあり、黒い養生シートを使うことで景観保護やカモフラージュすることが可能です。

農業でも、黒い養生シートがよく利用されます。色が黒いと地温の上昇が抑えられるため、雑草の生長を抑制できるのです。また気温が低い時期は、保温効果を高めるために黒いシートが使われることもあります。

コンクリート養生シート

コンクリート施工面の夏期の急激な乾燥や、冬期の凍結を防ぐ目的に使用する養生シートです。コンクリート養生の場合も、塩ビ製のブルーシートが多く用いられます。ビニール製の養生シートは破れにくいだけではなく、撥水性が高く、汚れなどを洗い落とすこともできます。

カッターなどで比較的簡単に切ることもでき変質もしにくいのですが、熱には弱いのでバーナーなどで熱加工をする現場などには不向きです。

その他

用途によって様々な種類の養生シートが開発されています。例えばクリーンルームを保護する専用の透明な養生シートがあり、帯電を防止する透明ビニールシートとなっています。透明なのは、養生シートで覆っても中身が見えるようにするためです。

また、透明な芝養生シートも販売されています。透明にすると保温効果や通気性が向上するためです。素材は透明度の高いポリエチレンです。

様々な場所で使われる養生シートについて

養生シートは、やはり建築などの現場で使用される頻度が最も高いと言えるでしょう。主な使用場所は、屋外と屋内の二つに分けて考えられます。

屋内では主に材料を運搬したり、加工したりする現場の床や、倉庫などでの製品を保護するための緩衝材として用いられます。屋外では主に外壁塗装の際の塗料の飛び散り防止や汚れの防止や防塵、防水などの目的で用いられます。

その中でも、使用頻度の高い塗装現場と工事現場の二つのケースの養生シートについてご紹介いたします。

塗装時での養生シート

塗装現場

塗装の際に使用する養生シートは壁や床の破損を防ぐというよりも、塗料などが不必要な場所に飛散しないように防ぐ、マスキングの目的として使用されています。

塗装で養生シートを使う目的

・きれいに仕上げるため
養生シートを養生テープと合わせて使用することにより、色や素材の境目をマスキングし、見た目にもきれいな仕上げにすることができます。

・周囲を保護するため
養生シートで塗装現場の周囲を覆うことで、建物を塗料の飛散から保護する、あるいは近隣の建物などへの汚れの飛び散りを保護します。また、塗装現場では使用場所によって養生シートの使い方が異なります。

塗装現場で使われる養生シート

・マスカー
マスキングテープがついた養生シートです。マスキングテープとは、養生シートを壁面に固定し、シートでは覆い切れない細かい部分を保護するための再剥離可能な尺粘着テープです。マスカーならば養生シートとマスキングテープを別々に使う必要がありません。窓や扉、植栽などへの塗料の付着を防ぐために覆うように使用して保護します。

・室外機養生カバー
塗料が付着することによって動作不良につながる場合があるので、塗装中のエアコン室外機の保護には特に気を使います。正しい養生を行えば、作業中でもエアコンの使用が可能になります。

・ノンスリップ養生シート
ノンスリップ養生シートは、玄関などの人が行き来する場所に適した養生です。滑りにくい素材のビニールシートを使用することで、安全を確保する効果も期待できます。

・飛散防止ネット
飛散防止ネットは外壁塗装のために組み上げた足場の外側に全体を覆うように取りつけるシートです。主な目的は防塵であり、風の影響を受けにくいメッシュシートが用いられます。

塗装時の養生シートを剥がす前には、必ずペンキがしっかりと乾いていることを確認しましょう。

工事での養生シート

防音シート

工事現場でも、養生シートは効果的に活用されています。工事現場で養生シートを使う目的には、以下のものが挙げられます。

防音シート

防音効果を高めるときは、厚みがあり騒音をカットする養生シートが使われます。例えば、近隣への配慮が必要となる工事現場などです。素材は塩ビやポリエステルなどで、ロール状のものもあれば、独立したシートのものもあります。

老朽化した建築物などを解体する工事現場では、防音性の高いシートを活用します。解体する建築物をしっかりと覆うことで防音効果が上がることから、近隣に住宅があるような場所で騒音を伴う工事を行う際には欠かせない養生シートです。防音性の高いシートは穴が開いていないので、遮音と同時に粉塵の飛散防止にも役立ちます。

防炎

防炎を目的とする場合は、防炎加工が施された養生シートが使われます。溶接などの火花が散る作業で、火事などの不測の事態を防止することができます。素材は難燃性の塩ビやポリエステルなどです。

飛散防止

洗浄や資材の切断などを行う際に、周囲への飛散を防ぎます。主に、風を通すメッシュシート素材の養生シートが使われます。メッシュシート素材の養生シートは、ロール状態で販売されているものが多くみられます。

床面の保護

工事現場などで台車や運搬用の車両を使用した場合に、床面を保護する目的で使用します。厚手のビニールやベニヤ板などの素材が多く、短期的な工事現場へのレンタルなども用意されています。

落下防止

建築現場などの高所作業では、ポリエステル素材などで作られたネット加工タイプの養生シートを使用する場合があります。ネット加工タイプは、作業現場でのコンクリート片などの落下物を防止し、万が一作業員が足を滑らせるなどの事故が発生した場合にもセーフティネットの役割を果たします。

このように屋外で長期にわたって使用されるネット加工タイプは、日光・光・雨・炎の耐性が高いものが多くみられます。

荷押さえ

荷押さえなどの目的で、ネット加工タイプの養生シートを使用することもあります。ネット加工タイプの目合いサイズは5mmから30mmと幅広いため、目的に応じた目合いのネット加工養生シートを選びましょう。

目的に合った養生シートを選んで現場の安全を守ろう

養生シートを使用して保護をする作業工程は、運搬や塗装などの現場で建物や床、周囲の建物などの破損や汚れの防止のために欠かせません。保護をする場所によって最適な養生シートの素材や形状、大きさなどが異なります。養生シートを活用し、安心安全な現場環境を作りましょう。

養生どっとねっとでは、養生シートをはじめ、様々な建築資材を扱っております。商品によってはカットサンプルをお送りすることもできますので、お気軽にご相談ください。

養生シートや養生材の購入は養生どっとねっとへ

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